目次
アクリル樹脂とは
飛沫防止パーテーションやフィギュアケース、フォトフレームなど、さまざまなところで使用されている「アクリル樹脂」。
今回はこの「アクリル樹脂」の特徴についてご説明していきたいと思います。
プラスチック=アクリルと思っている方も多いかもしれませんが、あくまでアクリル樹脂は数あるプラスチックの内の一つです。この「アクリル」という名前ですが、これは一般的な呼称であり、略号は「PMMA」、正式名称としては「ポリメチルメタクリレート樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)」という名前です。
アクリルとは、名前にも含まれている、”メタクリル酸エステル”または”アクリル酸エステル”の重合体で、非晶質の合成樹脂の一つです。
アクリル樹脂の特徴
ここからはアクリル樹脂のメリットやデメリットなどの特徴についてご説明していきたいと思います。
設置場所や使用用途、加工方法などによっては、アクリル樹脂が適しているかなども変わってきます。
アクリル板の購入や加工などをお考えの方は、参考にしてみて下さい。
耐久性が高い
まずは耐久性の高さです。
例えば、透明の板という点で同じような見た目の素材として、「ガラス」とアクリル樹脂が比較されることがよくあります。
見た目にはよく似ていますが、違いの一つとしてガラスは割れやすいのに対して、アクリルは割れにくく耐久性が高いです。
加工がしやすい
次は加工性の高さです。
冒頭でもお伝えしたように、アクリル素材はパーテーションやケースなどさまざまなものに使用されています。
これはアクリル樹脂の加工性が高いことが理由の一つです。
熱加工が出来なかったり、接着に不向きで合ったりと、素材によっては特定の加工ができないということもあります。
アクリル樹脂は、カット(切断)はもちろん、変形カットや穴あけをしたり、熱を加えて曲げたり、接着、レーザー彫刻、削り出しなどあらゆる加工が可能な素材です。
耐候性が高い
次は耐候性の高さです。
先程ご説明したように、アクリル樹脂は高い耐久性を持つとともに高い耐候性も兼ね備えています。
名前の通り、屋外などで使用したときに天候などの環境変化によって、変形、変色、劣化等の変質を起こしにくいという性質です。
そういった点からも、屋外看板などにも多用されています。
透明性が高い
次は透明度の高さです。
アクリル樹脂の最大の特徴とも言えるのが、透明度の高さです。
実際に光線透過率は93%になり、これはガラスの透過率92%よりも高く、ガラスよりも透明度が高いということです。
アクリル樹脂は、有機ガラスと呼ばれることもあり、抜群の透明性を備えています。
軽い
次に重量の軽さです。
まずプラスチックの重量計算は、 縦(m) x 横(m) x 板厚さ(mm) x 比重= 重さ(kg) で算出します。
そのため、プラスチックの重さは比重で比較をすることができます。
例えばアクリル樹脂と同じプラスチックの一種である、「塩ビ」と比較してみると、
塩ビ板の比重は 「1.4」 に対して、アクリル板の比重は 「1.19」 なので、
重量は、 塩ビ>アクリル となります。
耐熱性が低い
次は耐熱性の低さです。
アクリル板の融点は90から105℃で、耐熱温度(熱変形温度)は85〜100℃です。
例えば他のプラスチックと比べてみると、
ポリカーボネードの場合は137〜142℃、PET板の場合は70~104℃で、アクリルの方が多少耐熱温度が低いことが分かります。
一方、塩ビ板の場合は58~68℃、P.Pシート(低発泡ポリプロピレン)の場合は57~65℃で、アクリルの方が耐熱温度が高いです。
プラスチック素材を使用する際は、このように耐熱性などもかかわってくるため、設置場所や使用用途によって使い分ける必要があります。
※「熱変形温度」とは、一定荷重をかけた状態において、温度を一定速度で上昇させた場合に、プラスチックのたわみが一定以上になる温度のことをいいます。熱変形温度は、「荷重たわみ温度」とも呼ばれています。
傷がつきやすい
次に傷のつきやすさです。
アクリルはガラスなどと比べて割れにくい、と比較されることがありますが、表面キズに関してはそれほど強くありません。
場合によってはタオルなどでこすった時にも傷が付く可能性があります。
そのためアクリルの取り扱いは十分に注意し、掃除などの際も正しい方法で手入れすることをおすすめします。
アクリルの正しい清掃方法についてのコラムはこちら☟
アクリル板(パーテーション)の正しい掃除方法とは?実はアルコール除菌はNG!
まとめ
今回はアクリル樹脂の特徴についてご紹介してきました。
はじめにお伝えしたように、アクリル樹脂はプラスチック素材のうちの一つです。
一般的にプラスチックと呼ばれるものは、塩ビ板やPET板などアクリル以外にも多くあります。
今回ご説明したアクリル樹脂と同様に他のプラスチック素材にもそれぞれの長所や短所などがあります。
プラスチック素材を購入、使用する際には、これらの特徴を踏まえて、加工方法、使用用途や設置場所などによって使い分ける必要があります。
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