目次
アクリル板とは
今回はアクリルの”曲げ加工”についてご紹介していきたいと思います。
まずはアクリルについてご説明したいと思います。
アクリルとは、塩ビやPET、ポリカーボネートなどと同様のプラスチック素材の一つです。
名称は「ポリメチルメタクリレート樹脂 」と呼ばれ、略号は「PMMA (Poly Methyl Methacrylate)」と表記されます。
もしかするとプラスチック製品の製品表記などで”PMMA”という文字を見たことがある方もいるかもしれません。
パーテーションやフィギュアケースなど、さまざまなところに用いられている汎用性の高いプラスチック素材です。
何でできている
では”アクリル板”は何で出来ているのでしょうか。
アクリル板は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体(ポリマー)で透明性の高い非晶質の合成樹脂であるアクリル樹脂から作られています。
メリット
アクリル板の長所をまとめてみました。
・透明度の高さ
光線透過率は約94%で、これは一般ガラスよりも高い透過率です。実際に”有機ガラス”とも呼ばれており、プラスチック素材の中でも透明度の高さは一番です。
・耐候性、耐久性に優れている
太陽光などの気象条件においても、錆びや腐食などの劣化がしにくいため、屋外の看板などにも使用されています。
ガラスよりも透明度が高く、耐久性に関してもガラスよりも優れているため、
実際に、高い透明度と大きな水圧に耐える必要がある水族館の水槽などにも使用されています。
・耐衝撃性に優れている
一見ガラスに近い見た目や特徴を持つアクリルですが、強度に関しては、ガラスよりも10~16倍ほどの強さを持ちます。
・電気絶縁性を有する
高電圧に耐え、絶縁材料としても広く利用されています。
・加工性の高さ
切削加工をはじめ、溶接 · 接着 · 曲げ加工、成形など一般的なプラスチック加工全般にわたって行いやすい素材と言われています。
このようにアクリルにはメリットとなる点が多く、様々な特性を持つことから「プラスチックの女王」とも呼ばれています。
上記の特徴からガラスの代用品としても使用されることも多く、また、電飾看板のカバーや自動車のランプレンズ、水槽など、幅広いシーン、用途で使用されています。
デメリット
次はデメリットについてです。
・耐熱温度の低さ
アクリル板の耐熱温度(ここでは連続使用温度)は80~90℃であり、120℃のポリカーボネートなどと比べると低いことが分かります。
・耐衝撃性の低さ
衝撃強度に関しても、ガラスと比べれば数十倍の強度を持つと言われていますが、衝撃強度を測るアイゾット衝撃値(数値が大きいほど衝撃強度が高い)が例えば、高い衝撃強度を備えると言われているポリカーボネートは640~854程であるのに対して、アクリルは11~22でその差はとても大きいです。
用意するもの
ではここからは、曲げ加工をする際に必要なものを具体的にご紹介していきたいと思います。
アクリル板
まず一番は、アクリル板です。
アクリル板には大きく分けて「押出板」と「キャスト板」の種類がありますが、一般の方が曲げ加工をする場合は「キャスト板」を使用することをおすすめします。
押出板はキャスト板と比べると曲げ加工に際して割れやすく、曲げ直しが出来ないためです。
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ヒーターキット
次に曲げ加工をするための「ヒーターキット」です。
市販で販売されているものも多く、曲げ加工機にもさまざまなタイプのものがあり価格帯も幅広いです。
購入する際は、自分が使いやすいもので、また予算に合ったものを選ぶようにして下さい。
手袋
次に手袋です。
アクリル板で手を切る恐れや、曲げの熱加工の際に火傷をする恐れがあるので、加工の際には作業用手袋を着用することをおすすめします。
作業の流れ
では次は、実際の加工の流れについてです。
ヒーターキットを温めておく
まずはヒーターキットを温めておきます。
あたためが不十分な状態では、アクリル板は曲がらないのでしっかり温めます。
非常に高温になり火傷をする恐れがあるので、電源を入れたら加熱部分には触れないようにして下さい。
曲げる外側にヒーターキットを当てて温める
曲げる際には、アクリル板の曲げたい位置に事前に印をつけておくと曲げやすくなります。
ヒーターが温まったら、曲げる部分の外側からヒーターの熱を加えていきます。
柔らかくなるまで1~2分待つ
まずはそのまま曲げたい箇所に熱が当たる位置でアクリル板が柔らかくなるまで1~2分程待ちます。
板の厚みなどによっても時間は異なりますので、柔らかくなっているかを都度確認しながら調整をして下さい。
曲げる
板がある程度柔らかくなれば、曲げたい角度に板を曲げていきます。
最初は感覚が難しいかと思いますが、何度か練習を行えばコツがつかめてくるかと思います。
角度を固定して待つ
理想の角度まで板を曲げることができれば、角度を固定してしばらく待ちます。
この時に動かしてしまったりすると角度が変わってしまうので気を付けて下さい。
熱が冷めるまでまつ
曲げたい位置で固定をして、あとは熱が冷めるのを待ちます。
しっかりと熱が冷めていることを確認してからアクリル板は触るようにして下さい。
高温で加工をしているため火傷をする恐れがります。
完璧に綺麗に仕上げたい場合はプロにお任せください
今回はアクリル板の曲げ加工についてお話してきました。
先程もご紹介したように、市販でもプラスチック専用の曲げ機も多く販売されているため、ご自宅などでも加工していただくことはもちろん可能です。
ただ曲げ加工を頻繁にする場合はいいかもしれませんが、数回だけのために機械を購入するには安いものではないかと思います。
また仕上がりの精度に関しても、直角や決められた角度に曲げるような直線曲げであればまだ加工はしやすいですが、きれいな仕上がりにするにはなかなか難しく、
R曲げなどになると機械的にも技術的にも個人で行うのは難しいです。
まずはどのような加工をどのくらいの頻度でするかなどを事前に考えて、自分で加工をするのか、専門の業者に依頼するかを検討することが大切です。
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